どうも!「株価指数」という言葉だけ聞くと私は難しく感じていましたがおおざっぱにでも知っておくと便利なものなので皆さんにもだいたいこういうものなんだというだけ知っておいてほしいと思いましたので記事にしました。
【株価指数とは】
株価指数とは
株式の相場の状況を示すために、個々の株価を一定の計算方法で総合し、数値化したものである。狭義には基準値を100または1000とした指数化されたもののみを指すが、広義には平均株価などの指数でない数値のものも含む。
とされていますが、一言で言ってしまうと様々な市場の今がどのようになっているのか、今まではどうだったのかをざっくり知るためのものと思っていて構わないと思います。
よく聞く指数としては、日本で有名なのが「東証株価指数(TOPIX)」や「日経225(日経平均株価)」などで、アメリカでは「ダウ工業種30種平均株価」や「S&P(スタンダード・アンド・プアーズ)500」などがあります。
このあたりの株価指数はニュースで毎日流れているので聞いたことのある人もいるとは思いますが私は投資をするまで関係のないことでしたし全く意味が分かっていませんでした。
しかし、投資をするようになって重要な情報だと感じてからはニュースで流れていると意識して見るようになってしまいました。皆さんが今回の記事を読んでニュースで株価指数を見るときに少し見方が変わるのではないかと思います。
株価指数は各市場の証券取引所(東証株価指数では東京証券取引所)や民間の機関(S&P500ではS&P社)が対象となる企業を選んで、様々な方法で指数を算出して市場について現状を把握するために公表していて、市場の相場を知るのに便利な数値で投資信託を利用して株式投資をしようとしている方にとっては投資をする上で重要な役割を果たしています。
【投資信託での株価指数の役割】
投資信託ではこの株価指数が大活躍しています。
どう活躍しているかというとうと株価指数はその市場のことを知るための基準としての役割があるので投資信託の運用者は自分が運用してしている投資信託とその基準を比較することができるのです。投資信託の商品説明の中に「ベンチマーク」という言葉が出てくると思います。
この「ベンチマーク」というのが「基準」のことで「TOPIXをベンチマークとしています」という言葉があれば「東証株価指数(TOPIX)を基準として投資信託を運用しています」ということで「TOPIX」の指数と比較した投資信託の運用実績がグラフであらわされたりします。
投資信託の中にはこの株価指数と同じような値動きで運用することを目標としている投資信託の「インデックスファンド」と運用者がベンチマークとする株価指数よりも上回る成績を上げることを目標にして運用する「アクティブファンド」と呼ばれるものがありますがどちらもこの株価指数を基準として運用されているので、どちらの種類の投資信託で投資をするにしても株価指数というのは投資信託で大きな役割を果たしています。
【もう少しくわしく】
今までの内容で株価指数というものについてイメージはしていただけたかとは思いますが、ここからはもう少しくわしく株価指数について説明していきたいと思います。
株価指数の数値をどのように算出するかで主に「株価平均型株価指数」「時価総額加重平均型株価指数」「浮動株基準株価指数」の3つの種類にわけられていますので1つずつ簡単に書きたいと思います。
「株価平均型株価指数」
一番簡単な算出方法で算出方法は企業の株価に注目した算出方式でその株価指数に組み入れられる企業の株価を全部足して組み入れられた企業の数で割って算出する方法です。
「組み入れられる企業の株価の合計 ÷ 組み入れられた企業の数」
シンプルな算出方法ですが、株価の金額によって算出するので組み入れられている企業の株価があまりにも違い過ぎると企業の規模が小さくても発行株式総数が少なく1株あたりの金額が大きな企業の株価に左右されやすくなるデメリットもあります。
この算出方法は歴史的に見ても一番古くから取り入れられている算出方法で日本では「日経平均株価指数」、アメリカでは「ダウ平均株価指数」と国を代表する株価指数もこの算出方法で計算しています。
しかし、デメリットとなる1株あたりの金額が大きな企業の株価に左右される部分が問題視されていて今は株価指数の算出方法としては採用するケースが少ないです。
例)
株価100円 A社
株価1200円 B社
株価500円 C社
株価指数 600A社の株価が30%上昇した場合
株価130円 A社
株価1200円 B社
株価500円 C社
株価指数 610B社の株価が30%上昇した場合
株価100円 A社
株価1560円 B社
株価500円 C社
株価指数 720C社の株価が30%上昇した場合
株価100円 A社
株価1200円 B社
株価650円 C社
株価指数 650
※同じように組み入れ銘柄の1社の株価が30%上昇しても株価の金額が大きい企業の株価に影響されやすい。
「株価平均型株価指数」で算出されている主な株価指数【2019年】・・・日経平均株価(日本)、日経ジャスダック平均株価(日本)、ダウ平均株価(アメリカ)
「時価総額加重平均型株価指数」
今主流の算出方式がこの時価総額加重平均型株価指数です。
この算出方式は企業の時価総額(発行している株式の数 × 株価)に注目した算出方式で株価指数に組み入れられる企業の時価総額の合計を基準となる一時点での時価総額合計で割って算出する方法です。
「組み入れられる企業の時価総額の合計 ÷ 基準となる一時点での時価総額合計」
この方法は「株価平均型指数」のデメリットであった時価総額が小さいのに発行株式総数が少なく1株あたりの金額が大きな企業の株価に左右されることなく企業の規模が大きいほど影響を与えるので様々な株価指数に採用されています。
しかし、デメリットもあります。時価総額が大きい大企業の場合、親会社の保有分や持ち合い株などの固定株(市場では売買されない株)比率が高く流動性のある浮動株(市場で売買される株)比率が低い企業も多くあり、そういう企業の株価は市場で売買される浮動株の影響が少ないので株価指数の変動が少なく市場の状況と株価指数の変動の状況が合わなくなることもあり市場の状況を反映しにくい問題点もあります。
また、株の持ち合いをしている企業同士が上場し、株価指数に組み入れられると時価総額が二重に計上されてしまう問題点もあります。
例)
時価総額200万円 A社(発行株式総数1万株×株価200円)
時価総額1200万円 B社(発行株式総数10万株×株価120円)
時価総額600万円 C社(発行株式総数2万株×株価300円)
この時点での時価総額合計(2000万円)を基準として株価指数200とする。景気が悪く50%株式市場から資金が引き上げられた場合
時価総額100万円 A社(発行株式総数1万株×株価100円)
時価総額600万円 B社(発行株式総数10万株×株価60円)
時価総額300万円 C社(発行株式総数2万株×株価150円)
時価総額合計が1000万円になり株価指数は100となる。B社の固定株が50%あった場合で景気が悪く50%株式市場から資金が引き上げられた場合
時価総額100万円 A社(発行株式総数1万株×株価100円)
時価総額900万円 B社(発行株式総数10万株×株価90円)
時価総額300万円 C社(発行株式総数2万株×株価150円)
時価総額合計が1300万円になり株価指数は130となる。
※固定株は売買されないので株式市場の状況と指数の状況が一致していなくて株価指数が市場の状況を反映しているとは言い切れなくなっている。
「時価総額加重平均型株価指数」で算出されている主な株価指数【2019年】・・・香港ハンセン株価指数(香港)、S&P500(アメリカ)、Nasdaq総合指数(アメリカ)
「浮動株基準株価指数」
20世紀末頃から使われ始めた算出方法で名前の通り浮動株(市場で売買される株)に注目する算出方法です。
浮動株基準株価指数自体に特別な算出方法はなく「時価総額加重平均型株価指数」の固定株に関する問題点を解消しようとする方法で「浮動株基準時価総額加重平均型株価指数」として株価指数に組み入れられた企業の「上位10社の所有株式数と該当企業の役員・持ち株会社所有の株以外の株」を浮動株としてその株式数に株価をかけた浮動株基準の時価総額を算出して組み入れられた企業の浮動株基準の時価総額合計を株価指数とする方法が採用されています。
この算出方法を採用している株価指数は時価総額加重平均型株価指数のデメリットを補うより良い方法ではないかとされ徐々に増えつつあるという感じです。
例)
A社
発行株式総数1万株(固定株5千株+浮動株5千株)×株価200円
時価総額200万円 浮動株基準時価総額100万円
B社
発行株式総数10万株(固定株8万株+浮動株2万株)×株価120円
時価総額1200万円 浮動株基準時価総額240万円
C社
発行株式総数2万株(固定株1万株+浮動株1万株)×株価300円
時価総額600万円 浮動株基準時価総額300万円この時点での浮動株基準時価総額合計(640万円)を基準として株価指数を640とする。
景気が悪く50%株式市場から資金が引き上げられた場合
固定株に売買がなかったとすれば浮動株のみ変化が出るので浮動株の分だけ株価が変化することになる。A社
固定株部分時価総額5千株×200円=100万円、浮動株部分時価総額5千株×200円×50%=50万円・・・時価総額150万円(株価150円)
B社
固定株部分時価総額8万株×120円=960万円、浮動株部分時価総額2万株×120円×50%=120万円・・・時価総額1080万円(株価108円)
C社
固定株部分時価総額1万株×300円=300万円、浮動株部分時価総額1万株×300円×50%=150万円・・・時価総額450万円(株価225円)浮動株部分時価総額合計は(320万円)となり株価指数は320となり、市場の状況と株価指数に連動性が近くなる。
「浮動株基準時価総額加重平均型株価指数」で算出されている主な株価指数【2019年】・・・東証株価指数【TOPIX】(日本)、ドイツ株価指数(ドイツ)、英FTSE200種総合株価指数(イギリス)
【まとめ】
今回は投資信託で重要な株価指数について記事にしました。
株価指数はより市場の状況に連動し、過去・現在・未来と連続性を持たせることによって市場を把握するのに役立つようにとされています。
最近採用され始めている浮動株基準株価指数ですがこれは時価総額加重平均型株価指数を採用した株価指数を利用したインデックスファンド(株価指数連動型投資信託)の規模が大きくなり株式市場に影響を及ぼすようになってしまいその問題点の改善のために算出方法を浮動株のみ対象にしてインデックスファンドで運用しやすく株式市場への影響も公平を保つようにと採用が始められました。
このように算出方法も時代によって運用しやすいように改良されていてこれから先も変化があると思います。
今では浮動株基準株価指数が株式市場の状況の把握、連続性の持続のために良い方法ではないかとされていますがまた問題が出てくることでしょう。
投資信託を利用した投資をしようとした時に私たちは株価指数というものの意味を知っておいて損はないと思います。
今回は少し長くなっていしましましたが最後までお付き合いいただきありがとうございました。
from takuchan
コメント